訪問歯科の申請方法や手続きについて

はじめに

訪問歯科という言葉を聞いたことがある方はそう多くはないはずです。

 

訪問歯科とはお口のことで困っていてもクリニックに行けない人たちと対象に、歯科医師や歯科衛生士が施設や自宅へ訪問し治療を行うものを言います。
細かく分類すると、入れ歯が合わない、歯が急に痛み出したなどの場合に訪問治療を行うものを往診と呼び、定期的に日時を決め訪問することを在宅診療と呼びます。
ただ、実際にはこれら両方を合わせて訪問歯科と呼んでいるようですね。
ここではそんな訪問歯科の申請方法や手続き、治療の流れ、重要性などについてお教えしましょう。

対象となる人

保険を使い訪問歯科診療を受けるためにはいくつか決まりがあります。
一つ目は最寄りのクリニックまで通えない正当な理由があることです。
具体的に言うと、高齢で介護を受けている、身体が不自由で通院できない・・などで、通う時間がないとか通うのが面倒などの理由では認められていません。
さらに、訪問するクリニックから半径16キロ圏内に施設や自宅がある必要があります。
ですので、訪問歯科診療の申請をする際に確認しておきましょう。

訪問歯科診療の重要性

お口のケアで肺炎を予防できる

高齢者の死亡原因の一つと言われているのが誤嚥性肺炎ですが、これは食べものをお口の中に入れた時、唾液や細菌が胃液とともに肺へと流れ込んでしまい起きる肺炎のことを言います。
お口のケアがきちんとできておらず細菌が増殖していると、肺炎のリスクがさらに高まります。
つまり、飲み込む力が弱って細菌を退治する白血球の力が弱まっている高齢者は誤嚥性肺炎を防ぐため、お口の中の環境を整えることが重要だと言えます。
さらに、消化器官内にチューブを使って流動食を摂っているような経管栄養の方も唾液の量が減ってしまうため、お口のケアが大変重要なのです。

おいしく食事ができる

よく噛み食べものの味を楽しむ喜びはいくつになっても変わらないですよね?
ですが、実際には高齢者の方のほとんどは柔らかいご飯や野菜、ソフト食やミキサー食などの食事しか摂ることができず、低栄養状態になっている方が多いです。
もし、普通食を食べたいと願っているなら訪問歯科診療では入れ歯の調整と共に咀嚼のリハビリを行ってくれます。
唾液をしっかり出せるようになれば固形食を摂ってもむせない嚥下ができるようになるため、おいしく栄養価の高い食事ができるようになるはずです。

自分の口で食事が楽しめる

口で食事を摂っていない場合でもお口のケアは重要です。
食事をしていなくてもお口の中では痰や粘液の老廃物などが溜まるものです。
ですが、唾液の分泌が減ってしまうため結果的に細菌が増殖してしまい、誤嚥性肺炎を起こしてしまうのです。
経管栄養の方でもお口のケアは大切で、寝ている間にあやまって唾液を誤嚥してしまうことで誤嚥性肺炎を起こしてしまうリスクがあります。
これを予防するには寝る前のお口のケアの他に、唾液の分泌を促すためにもお口を使った食事が重要だと言われています。

訪問歯科の申請方法

訪問歯科診療を行っているクリニックはまだ少ないため、近くのクリニックに聞いてみても断われてしまうことがあるようですね。
もし、自宅に来てもらいたい場合には地域包括支援センターやケアマネージャーなどに聞いてみれば探してくれるようです。
施設に来てもらいたい場合には施設の方に聞いてみましょう。
他の方が以前利用したクリニックや訪問歯科医院と提携していることがあれば紹介してくれるでしょう。

訪問歯科診療で受けられる治療とは

訪問歯科診療でも通院と同等の治療を受けることが可能です。
その中でも特に行われている治療には次のようなものが挙げられます。

  • 歯周病や虫歯の治療
  • お口のケア
  • 入れ歯の作成、調整、修理など
  • 摂食嚥下障害のリハビリ

訪問歯科診療の治療の流れ

まず、用意しておくものとして健康保険証、服用中のお薬などがあります。
治療場所としては流しなどの水回りやコンセントがあり、治療する方のスペースが取れるところでないといけません。
なお、治療を立ち会う方はできれば家族の方が望ましいです。
特に最初の診療ではどういった治療を今後行っていくのか相談する必要があるので、立ち会う方がいいでしょう。
歯科医師と歯科衛生士が訪問歯科診療専用の機材を持参して訪問します。
ほとんどの場合車で来るため、駐車場の場所をあらかじめ伝えておくようにしましょう。
治療はベッドや椅子の上で行われることが多く、1回当たり30分程度で終わります。
さらに、リハビリやお口の替えではお口の中の掃除以外に歯ブラシを使用したり発声のリハビリなど、幅広いケアを行うようです。
治療が終了したら、お金を支払ったり次の診療の予約を行います。
前の人の治療が長引く、渋滞・・などを考慮し予約時間には余裕を持たせておきましょう。
支払いについてですが、保険内の自己負担金の支払いはその日の分をその日に支払う方法の他に、前回の分を次の回で支払う、月にまとめて支払う・・などクリニックによって違うため、最初の診療の際に確認しておきましょう。
また、領収書は取っておいた方が無難でしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ひとりひとりの方が自立して生活を送るには食事は大変重要で、人との会話でコミュニケーションを取ることも非常に重要です。
つまり、お口の機能は人間の生活に大きな関係があるということですね。
訪問歯科診療の最大のメリットは患者さんの生活の場で治療が行えることにあります。
自宅や施設で診療することで通院では分からない生活について知ることができ最適な治療が行えるため、今後ますます訪問歯科診療への期待が高まることでしょう。
また、訪問歯科診療ではリハビリでもそれぞれの方の生活を重視しているため、本人やご家族の協力によってリハビリを行うことで生活の質がよくなることもあります。
利用する方が自立して質のいい生活を送ることができ、寝たきりにならないようにするためにも、訪問歯科診療は重要な存在だと言えるでしょう。
ここでご紹介したことが訪問歯科診療を利用する際のお役に立てると幸いです!