認知症患者様が訪問歯科を受ける際の注意点

はじめに

認知症のご家族をお持ちの方は訪問歯科診療を利用したくても不安に思うことが多いでしょう。

その日の気分によっては治療を嫌がるかも、口を開けたままで我慢できるだろうか・・など、さまざまな心配があるでしょう。

認知症であっても訪問歯科診療を受けられるのか、迷惑がられないだろうか・・などと思っている方のために、ここでは認知症の方の訪問歯科診療についてや、注意点などについてまとめてみます。

高齢者のお口のケアの重要性

噛むことで認知症を予防できる

要介護状態になって自分でブラッシングができなくなってしまうといい加減になるお口のケアですが、これは高齢者の生活の質を向上させるために重要なものです。
高齢になると、要介護になった時歯周病や虫歯、口の中が乾燥することによって口の機能が敵かしてしまい、食欲がなくなって栄養状態が悪くなることで免疫力が下がってしまうのです。
たかが口の中などと思っていると結果的には全身の健康状態に悪影響を及ぼすため、適切なお口の中のケアが必要です。

 

ある調査によれば、お口のケアを行った経験がある要介護者は全体の4割程度となっており、半数にも満たなかったそうです。

 

さらに、お口の中に食べもののかすが残ったまま放っておくと、細菌が増殖して肺の中に入ることによって誤嚥性肺炎になってしまうこともあり、口の中が原因となって全身の健康状態が悪化した・・という場合も多いです。

 

実際に65歳以上の方の死因の3位に肺炎が入っていることからも要介護者は誤嚥性肺炎を起こしやすく、お口の中のケアをきちんと行わないと誤嚥による発熱を繰り返し、全身状態は悪化する一方です。

 

それに、お口のケアは誤嚥を防ぐ他にも自分で噛んで飲み込むことで脳の血流がアップし脳が活性化したという研究結果もあるため、お口のケアは高齢者の生活の質や動作の向上につながると言ってもいいでしょう。

 

お口の中の保湿と歯ブラシ選びは重要

高齢者のお口の中をケアする際、お口の中をじゅうぶんに潤してあげることが重要です。

それはお口の中が乾いたままでブラッシングしても汚れがこびりついて歯磨きに時間がかかってしまい、ストレスが溜まってしまうからです。

さらに、乾燥したままだと歯ブラシなどが刺激となり痛みが起きてしまうので、汚れを落としやすく痛みを感じさせないようにするためにもお口のケアを行う際には保湿が重要です。

保湿をするためにはうがいをしたり保湿剤を唇やお口の中に塗る方法があるため、その方のお口の状態に合わせて最も適した方法を選んであげましょう。

歯磨きをする際には高齢者用の先が細い歯ブラシを使い、シンプルな形状のものを使うといいでしょう。

歯ぐきを傷めないように毛質は柔らかめのものを使いましょう。

 

訪問歯科診療を受けられる人とは

訪問歯科を保険を利用して受けるためには次のような決まりがあります。

クリニックへ自分で行けない正当な理由があること、具体的に言うと高齢で介護を受けている、体が不自由・・などです。

また、訪問するクリニックから半径16キロ以内に施設や自宅があることです。

 

認知症の方が訪問歯科診療を利用する際の注意点とは

認知症の方が訪問歯科診療を利用する際の注意点の一つにうがいがあります。

うがいと聞くと上向きになってがらがらと鳴らすものをイメージするでしょうが、認知症の方の場合こういったうがいを行うと誤嚥の危険性があります。

なので、認知症の方はがらがらうがいをするのは避けた方がよさそうです。

 

さらに、寝たきりの方の場合は上半身が起こせないためそもそもうがいができません。

認知症の方の中にはブラッシングを行ったかどうかを忘れてしまう方もおられ、症状が進むと歯磨きの仕方まで忘れてしまうようです。

たとえば、歯ブラシの使い方を忘れてしまったり、うがいの時の水の吐き出し方を忘れてしまったりします。

訪問診療歯科で訪れた歯科医師や歯科衛生士は患者さんの認知症の程度などを見ながらそれぞれの方に合ったお口のケアを行ってくれます。

ただ、ものごとを認知できなくなっていても長年行っていた生活習慣は覚えていて、認知症が進んでもいざ洗面所に行くと歯ブラシを持ってコップに水を入れることができる方もいるようです。

このような方の場合でも近くに洗顔剤やハンドクリームなどを置いておくと歯磨き粉と間違ってしまうため、置いておくのは避けましょう。

 

また、認知症の方の中で自分が入れ歯を入れていることを忘れてしまっている方もいますので、家族や介護する方が入れ歯を外すように行っても入れ歯を入れていないと拒むことがあるようです。

歯科衛生士や歯科医師が言うと従うことも多いため無理じいすることなく、家族と訪問診療歯科スタッフとがうまく連携して行うことをおススメします。

入れ歯を認知症になる前からしていた方の場合は新しい入れ歯を作った時、スムーズに受け入れられることが多いです。

ですが、入れ歯を認知症になってからした方はなかなか口に入れないことが多いです。

それは入れ歯を見ても口の中に入れるものだと認識できないからでしょう。

ただ、入れ歯を絶対に入れなければならないということでもないため、使わないというのも一つの手です。

認知症の方の場合には入れ歯を新しく作成する前にしっかりと歯科医師と相談した上で、入れ歯を作るかどうか、作らないでも食事できる方法があるか・・などを相談しておくことが大切です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

ここでは高齢者のお口のケアの重要性や認知症の方が訪問診療歯科を利用する際の注意点についてまとめてみました。

お口の中が健康な状態を維持できれば日ごろの食事を楽しくすることができます。

さらに、誤嚥性肺炎を防止するためにもお口の中のケアは重要ですので、今まであまり意識していなかった方も今日からぜひ高齢者のお口のケアに取り組んであげてください。

また、認知症の方が訪問診療歯科を利用する際にも上で書いたような注意点をしっかり把握しておけば安心して利用することができるはずです。

うまく訪問診療歯科を利用して認知症の方のお口のケアをしてあげてくださいね!