訪問歯科で行える治療法とはどんなものがあるの?

はじめに

訪問歯科とは歯のトラブルなどがあってもクリニックに行けない方を対象とした、歯科医師や歯科衛生士などが施設や自宅に訪問し治療を行うものを言います。

その中でも歯が急に痛くなったり、入れ歯が合わず困っている・・などの場合に訪問治療を行うことを往診と呼び、定期的に日時を決め訪問してケアや治療を行うものを在宅診療と呼びますが、基本的にこの両方を合わせて訪問歯科と呼んでいます。

ここでは訪問歯科で行える治療法や訪問歯科の重要性などについてご紹介しましょう。

 

訪問歯科を受けられる人とは?

健康保険を使って訪問歯科を受けるにはいくつか決まりがあり、一つ目は自宅近くのクリニックに通院できない正当な理由があることです。

具体的に言うと体が不自由だったり、高齢のため介護を受けている・・などがあり、通う暇がないとか通院が面倒・・などの理由では対象とはなりません。

もう一つは訪問するクリニックから半径16キロ以内に施設や自宅があることで、訪問歯科の診療を受けたい場合はこの範囲内にあるかどうかをチェックしましょう。

 

費用はどのくらい?

訪問歯科診療には介護保険医療保険が適用されるので、それぞれ決められた自己負担分がかかってきます。

あお、医療保険の点数には訪問診療料が加算され、自己負担額は1割から3割ですが、心身障碍者医療受給や生活保護受給などによって公費負担を受けられる場合もあるようですね。

介護保険を使った場合訪問歯科診療はケアプランとは別枠になるので、介護保険の自己負担額を負担する必要が出てきます。

さらに、訪問するために交通費がかかった場合には請求できることになっているため、申し込む時に確認しておきましょう。

 

訪問診療で行う治療とは

クリニックと同様の治療

訪問歯科診療ではどういった治療が行えるのでしょうか。

訪問歯科診療では体が不自由な方のために施設や自宅、入院中の病院に出向き、入れ歯が合わない、虫歯が痛む、口臭がする、うまく飲み込めない、食事中にむせてしまう・・など、の悩みに対応していきます。

 

たとえば、虫歯を削り詰めたり、麻酔を使って神経を取り歯を抜くこともあります。

また、入れ歯を作ったり修理することもあります。

訪問先では電気や水道を使うことになるのですが、治療の際には椅子や車いすに座って受けます。

座る姿勢が困難な方はベッドで診療を受けることもできるようですね。

ただ、かかっている病気によってその治療の負担になることがあるため、ケアマネージャーさんや担当医と連携を取りながら無理なく治療が行えるよう計画を立てていきます。

 

誤嚥性肺炎を予防できる

歯磨きをご自分でできなくなった方へはプロとして日ごろできない細部までお口のケアを行います。

たとえば、プラークや歯石を取り除いたり、舌苔を掃除したり、お口の中を保湿したり、誤嚥性肺炎を予防するためのお口の中の管理・・などですね。

さらに、舌や頬を刺激したりといったことも行います。

 

うがいがうまくできなくなった方には口腔清拭シートスポンジブラシなどを使ってケアを行うこともあります。

中には介護度が高く唾液誤嚥のリスクがある方もいますが、こういった場合には吸引機を使い、唾液を吸引しながらお口のケアを行ったりもします。

 

嚥下内視鏡検査

嚥下内視鏡検査というものを行うこともあります。

この検査は直径3ミリ程度の太さがあるファイバースコープを鼻から入れて、嚥下の状態やのどの状態を直接診療する検査です。

この検査を行うことによって、きちんと咀嚼されているかどうか、誤嚥していないかどうかなど、施設や自宅などでいつも食べている食事を使って確認していきます。

 

日ごろの食事でよくむせてしまうとか、現在の食事の形態が本人に合っているかどうか、逆に食事の形態を通常に戻せるのではないか・・などが気になる方は内視鏡を使って実際に診療して確認していきます。

その上で、水分にとろみをつけたり、食事の形態を変更したり・・などを提案してくことになっています。

この嚥下性内視鏡検査を行うメリットは咀嚼を確認し必要となる入れ歯の治療を行うことや、舌を動かす運動の検査を行ったり、嚥下の状態を確認したり・・と、口腔内のアプローチができる点でしょう。

 

この検査についても健康保険が使え、1割負担の方は3000円程度負担するだけで検査を受けることができます。

もし、訪問歯科を利用したい場合は担当のケアマネージャーに相談してみるといいでしょう。

 

訪問歯科診療の重要性とは

人間が豊かな生活をするために絶対必要で楽しみでもある家族や友人と楽しく話すことや、おいしく食べること、笑顔で気持ちを伝えること・・などは全て口と関係しています。

お口のケアをきちんと行うことによって自分の歯を健康に保つことができますし、歯をなくしてしまった方でもきちんと入れ歯を装着することによって、歯をなくした楽しみを取り戻せたりします。

通院が難しい方にこそ歯科治療を受けることをあきらめずに、クォリティオブライフを高めるための手助けとして訪問診療歯科を利用していただきたいです。

 

訪問歯科を受けるクリニックが決まったら

まずは現在困っていることを具体的に伝えるようにしましょう。

安心して訪問歯科診療を受けるために分かる範囲でかまわないので、過去にかかった病気や現在の健康状態、服用している薬などを伝えます。

さらに、かかりつけの病院の先生やケアマネージャーさん、訪問看護師さんの連絡先を教えましょう。

 

まとめ

お口のケアを行うことは全身の健康につながると言われています。

気持ちを豊かにするほか、全身の健康につながるため訪問診療歯科は重要な役割があると言ってもいいでしょう。

口腔ケアの効果や残った歯の本数と全身の健康状態や、医療費との関係性についての研究データは数多くあり、証明されています。

本人や家族が日ごろからかかりつけの歯科医師を持つことは、いざ介護が必要になった時に安全に治療を進める上で重要になります。

なので、通院している時からクリニックとの付き合いを大切にしておくことが重要です。

ぜひ、ご参考になさってみてくださいね!