訪問歯科は「健康保険」か「介護保険」どちらが適用?

みなさんは訪問歯科という言葉をご存じでしょうか?

 
名前くらいは聞いたことがあっても、その内容や適用される保険についてまではご存じないのではないでしょうか?
訪問歯科とは歯のトラブルがあっても歯医者さんに通院できない人を対象とした、歯科医師や歯科衛生士が施設や自宅に訪問して治療することを言います。
細かく分類すると、入れ歯が合わない、歯が急に痛み出した・・などといった人のために訪問治療を行うことを往診と呼び、定期的に日を決めて訪問して治療を行うものを在宅診療と呼びますが、その両方を総称して訪問歯科と呼んでいます。
ここでは、そんな訪問歯科について健康保険を使うのか、介護保険なのか・・など詳しくお教えしたいと思います。
これから訪問歯科を検討されている方のご参考になればうれしいです。

訪問歯科を受けられる人とは

では、どういった人が訪問歯科で保険を使って治療を受けられるのでしょうか?
保険を使って訪問歯科で治療するにはいくつかの条件があります。
まず、自分の家の近くの歯科医院まで通えない正当な理由があることです。
具体的に言うと、高齢で介護を受けているとか、体が不自由で通院できない・・などですね。
つまり、通うのが面倒とか、通う時間がない・・などの理由では受けられません。
さらに、訪問する歯科医院から半径16キロ以内に施設や自宅がある必要があり、申し込む際にはこの点をチェックしておきましょう。

どんな治療をするの?

基本的にクリニックで保険治療内で行われている治療のほぼすべてを受けることができます。
ただ、ごくまれに訪問診療用の機材だけでは対応できないこともあります。

介護保険?健康保険?

訪問歯科では介護保険と健康保険が適用され、それぞれ決まった分の自己負担額を支払う必要があります。
医療保険の点数に訪問診療料が加算され、自己負担金は人それぞれ違いますが、生活保護受給者や心身障碍者医療受給者など公費負担を受けられる場合もあるようですね。
介護保険を使った場合には訪問歯科診療はケアプランとは別になるため、介護保険での自己負担が発生し、訪問のための交通費も請求できるので申し込む際に確認しておきましょう。

治療部分は健康保険

健康保険が適用されるのは外来での初診や再診に該当する歯科訪問診療料や、虫歯を削って詰め物をしたり、抜歯したり、入れ歯を作ったり、プラークを除去したり・・などといった治療にあたる部分です。
これについては健康保険に入っていれば誰でも適用され、基本的に1~3割負担です。

口腔ケアや指導は違う保険が適用

訪問する際によって適用する保険が変わるのは口腔ケアや指導などを受けるケースです。
特別養護老人ホームや病院、老人保健施設などに入居している場合には口腔ケアも健康保険が適用になり、介護保険証の提示はしなくてもいいことになっています。
これらの施設は介護保険サービスが使える居宅とは違うので、介護保険が使えないのです。
自宅、有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどに住んでいて要介護認定を受けている場合に口腔ケアや指導を受ける場合は介護保険の適用となります。
歯科医師による医学的管理の他に、歯科衛生士による口腔ケアや実地指導などが適用されます。
つまり、介護保険のある方については健康保険より優先されることが原則です。
ただ、口腔ケアや指導については住んでいる場所によって適用される保険が変わってくるのです。

ケアマネージャーとの連携が重要

口腔ケアや指導について居宅療養管理指導というものがあり、担当しているケアマネージャーに情報提供の必要があります。
そのため、治療を受ける際に担当のケアマネージャーの名前や事業所を確認されます。
最近では家族がホームページなどから検索してクリニックに直接診療依頼することも増えてはいますが、ケアマネージャーとの連携は大変重要です。
なので、相談した上で歯科医院へ依頼するといいでしょう。
さらに、介護保険の計算についてよく疑問に思われることの一つに歯科医院で介護保険を算定すると他の介護サービスが使えないので歯科治療をやめたい・・ということです。
ここで大切なことは、歯科医院が算出する居宅療養管理指導は介護保険の支給限度額の対象外だということでしょう。
歯科医師それぞれの判断に応じ実施するため、ケアプランの対象外となっています。
お口の中のケアは誤嚥性肺炎などの予防にもなり、継続的にお口の中を清潔にすることによって口から食べる機能を維持でき、全身の健康維持にもつながってきます。
初回は無料で健診してもらえることが多いため、ぜひ訪問歯科を活用していただきたいですね。

訪問歯科の選び方

さて、ここで訪問歯科の選び方について書いてみましょう。
訪問歯科では歯科医院にあるような大きな機材を持ち込むことができません。
なので、訪問専用の機材がどれだけ揃っているかどうかが選ぶ最大のポイントになるでしょう。
歯科医院で受ける治療と同程度のきちんとした治療を受けるためには、訪問歯科専用の機材や機器を豊富に取り揃えているクリニックがおススメです。
歯科治療は誰でも緊張するものです。
訪問歯科でもそれは同様で、不安なく治療を受けるには治療前後にきちんと説明があり、不安点にも丁寧に答えてくれるクリニック選びが大切です。
治療の技術はもちろんのこと、患者さんや家族に親身になって相談に乗ってくれるクリニックであることが大切ですね。

まとめ

いかがだったでしょうか?
訪問歯科の治療内容や適用する保険について、訪問歯科の選び方などについてご紹介してみました。
さらに、担当するケアマネージャーとの連携も大変重要だということですね。
訪問歯科ではほとんどの場合、高齢者や障がいを持つ方の診療を行っています。
なので、訪問する医師は歯科だけでなく介護の知識も必要になります。
もし、治療の際に何か起きた場合にも介護の知識がある豊富な経験がある歯科医師なら適切な対応をしてくれるはず。
つまり、長年訪問歯科を行っているクリニックであれば安心して任せられそうですね。
今後皆さんが訪問歯科を選ぶ際のご参考になれば幸いです。