目次
はじめに
歯ぐきに人工歯根を入れるインプラント治療は外科的手術が必要となる歯科治療として知られています。
ですが、このインプラント治療には1回法と2回法の2つがあることはほとんど知られていないのではないでしょうか?
ここではそれぞれのメリットやデメリットについてもご紹介してみましょう。
インプラントとは
歯科用インプラントとは人工歯根をあごの骨に埋め込むことで、骨と結合させ上部構造を固定する治療法です。
入れ歯やブリッジと比べると、天然の歯に非常に近い見た目と機能性を得られる治療法で、周りの健康な歯にほとんど負担をかけずに治療できます。
このインプラント治療は1952年にブローネマルク博士という人が骨とチタンが結合することを発見し、1962年から治療が開始され、1980年頃から広く治療が行われるようになったと言われています。
最近では日本でも歯を失った時の治療法の一つとして広がりつつあります。
実はこのように、インプラントは歴史が非常に長い治療法だったのです。
インプラントの1回法と2回法の違いとは
インプラント手術には人工歯根を埋め込むため、歯ぐきを切開する外科的手術を1回で行う1回法と、2回行う2回法とがあります。
それぞれの手術の流れは次の通のようになっています。
1回法
1回法は歯茎を切開し、あごの骨に人工歯根を埋め込むスペースを開け、アバットメントを埋め込んでいきます。
さらに、あごの骨とインプラントがしっかりと結合したのを確認したのち、被せものをして装着させ完成です。
なお、1回法ではアバットメントと人工歯根が一体化したワンピースタイプのものを使うため、手術後はアバットメントが歯ぐきから露出しています。
2回法
2回法は1回目の手術でインプラントをあごの骨に埋め込んで、一度歯ぐきを被せて縫い合わせます。
さらに、インプラントと骨がしっかりと結合したのを確認し、歯ぐきを切開してインプラントにアバットメントをつけて被せものをすれば終了です。
2回法は歯茎を切開して人工歯根を埋め歯ぐきを戻していくため、人工歯根は歯ぐきの中に完全に埋まっており、骨と結合するのを待つ時間が必要となります。
それぞれのメリット&デメリット
1回法
- メリット
1回法のメリットは1度で手術が済むため、患者さんの肉体的・精神的負担が軽いことでしょう。
さらに、人工歯をつけるまでの期間が短くなるため、治療期間も短くて済みます。 - デメリット
ですが、1回法だと骨を再生させたり骨を移植させたりした場合、2回法と比べると感染する確率が高くなるのがデメリットです。つまり、あとの骨がじゅうぶんでないと行うことができません。
2回法
- メリット
2回法は1回法と比べると細菌感染しにくいのがメリットでしょう。
さらに、あごの骨が少ない方でも骨を再生したり、移植したりすることで手術できるなど、多くの方に適応可能なのがメリットです。 - デメリット
2回法は2回手術を行うので、患者さんの肉体的・精神的負担が大きくなるのがデメリットです。
1回法と2回法のどちらがいいの?
どちらの手術の方がいいのか、自分だけで決めることは難しいでしょう。
担当する歯科医師とご相談の上自分にぴったり合った方法を選ぶことが大切です。
ただ、1回法は制約が多いため適応できる患者さんが少ないため、今のところ2回法を選ぶ方が多いようですね。
1回法は1度の手術で治療ができますが、感染リスクが多いためやはり2回法の方をおススメします。
インプラント治療を受ける方は歯を失っているわけで、その最大の原因は細菌感染によるものです。
たとえば、虫歯や歯周病、歯の根っこが折れた・・などですね。
そういった原因で歯を失った場合、当然ながら歯周組織もなくなっているため、理想的なところにインプラントを埋めるにはほとんどの場合で骨を増強する必要が出てきます。
つまり、ほとんどの場合2回法になることが多いと言えるでしょう。
さらに、インプラントシステムについても、1回法と2回法のどちらにも対応可能なインプラントシステムを選ぶことをおススメします。
2回法で手術を受ける際のクリニックの選び方
インプラント治療において、何年間維持できるかが成功率とみなされています。
1年で壊れれば失敗ですし、永久的に使用し続けたいのが本音のところですよね?
ですが、クリニック選びを適切に行うことでこの成功率が変わってきます。
ここではクリニック選びのポイントをご紹介してみましょう。
歯科医師の技術力
いくら設備や機器が充実していても、歯科医師の技術が未熟であれば意味がありませんよね?
では、どうすれば治療を受ける前に歯科医師の技術力を知ることができるのでしょうか?
大切なのは実績で、今までどの程度のインプラント治療を行ってきたのか、成功率はどの程度なのか・・などに重点を置いてチェックしましょう。
特に、ホームページなどで実績などを公表しているクリニックであれば安心できますね。
もし、公表していない場合には直接尋ねてみてもいいでしょう。
カウンセリングが丁寧か
それ以外にも、歯科医師やクリニックと相性がいいかどうかも大切なポイントです。
歯科医師の技術力や衛生面などは絶対的基準の元で判断できますが、相性についてはそれぞれの主観によって違うため実際にクリニックに行ってみるしかないでしょう。
たとえば、待合室や受け付けなどもとても重要なポイントになりますので、しっかりとチェックすることが大切ですね。
衛生面
もし、クリニックに実際に行ってみて少しでも衛生面で不安に感じるようなことがあれば、他のクリニックにした方がいいかもしれません。
衛生面に問題があると感染症や合併症などの重大な危険を伴うことがあるからです。
医療において100パーセント安全ということはないため、しっかりと衛生面についてチェックしておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ここでご紹介したことが患者さん自身が正しくインプラント治療について理解していただくために役立ち、快適なお口の中の環境を維持しクオリティオブライフの向上のためのご参考になることを願っています!