はじめに
インプラント治療とは歯ぐきを切開しあごの骨にインプラント体を埋め込む手術が必要なので、治療前にさまざまな検査を行う必要があります。
患者さんが不安に感じている症状がどのような検査を受けることで治療できることになるのか、前もって知っておきましょう。
ここではインプラント治療を受ける前に必要な検査についてご紹介します。
ただ、検査内容はクリニックによって若干違いがありますので、注意しましょう。
インプラントとは
そもそもインプラントとは人工物を体内に埋め込むことを言います。
歯科医療分野ではあごの骨に人体と親和性の高い人工歯根を埋め込んで、土台にセラミックなどでできた人工歯を装着することを言います。
現在では歯科で行われているものをインプラントと呼ぶようですね。
基本的に3つのパーツからできており、あごの骨に埋め込むインプラント体と、インプラントの上に装着するアバットメント、歯の代わりとなる人工歯からできています。
なお、インプラント体の素材はチタン合金かチタンで、直径が3~5ミリ程度で、長さは6~18ミリ程度です。
アバットメントはジルコニア、チタン合金、チタンなどで、上部構造は金合金やハイブリッドセラミック、レジン、セラミックなどさまざまです。
インプラント治療のトラブル例
では、インプラント治療のトラブル例には一体どういったものがあるのでしょうか?
- インプラント体がグラグラしたり、抜けたりする
インプラントの角度や深度、位置などが適切でなく、しっかりと固定されていないためグラグラしたり抜けたりすることがあります。
また、上部構造がぐらついたり、外れることもあります。
原因としては噛み合わせが不適切なため、上部構造の連結部分に余計な力がかかってしまいゆるんでしまうことが挙げられます。
また、アバットメントやスクリューの締め付け度合いが緩いことからも起こります。 - 長期間腫れやしびれ、痛みがある
細菌に感染したことで手術部位に炎症が起き、腫れたりしびれたり痛みが起きたりします。
インプラントが歯根部に触れたり神経を損傷し、まひを起こしてしまうこともあります。原因としてはインプラントの位置や噛み合わせが悪いため余計な力がかかってしまい上部構造が欠けたり、インプラント体やアバットメントが破損することによるものです。
他にも、噛み合わせがうまくいかないことで発音しづらかったり、天然の歯と明らかに見た目が違うことなどがあります。
インプラント治療前に必要な検査
血液検査や心電図検査
インプラント治療を受けるに方のほとんどは40~60歳の方が多いです。
この年代の方はさまざまな疾患にかかっていることが多いです。
持病の有無については初診の際に問診票などでチェックしますが、それだけでは分からない疾患にかかっていることもあるため、インプラント手術前には臨床検査を行うことがあります。
たとえば、血液検査や心電図検査・・などですね。
アレルギー検査
インプラント治療で埋め込まれるインプラントはチタンなので金属アレルギーの心配はないですが、人によってはそれでもアレルギー反応を起こす方もいます。
もし、問診でアレルギー反応があると分かった場合には治療前にパッチテストや血液検査などを行うことがあります。
パッチテストなどを行う場合には皮膚科を受診することもあります。
口腔内検査
顎関節や噛み合わせ、粘膜などの状態を検査することがあります。
また、唾液検査を行うこともあり、この検査によって唾液の質や量、
虫歯菌や歯周病菌などを調べどの程度のリスクがあるかを把握します。
また、インプラントは人工物なので虫歯になることはないものの、インプラント周囲炎になることがあります。
お口の中の状態を把握することによって、効果の高い予防や治療を行うことが可能になります。
CT検査
インプラント治療はあごの骨にインプラント体を埋め込む治療なので、三次元的な検査が必要になります。
CT検査は他方向から撮影できコンピュータを使って解析できるので必要な検査です。
手術後まひなどのトラブルを防止するたまえにも必要不可欠な検査だと言えるでしょう。
クリニック選びの重要性
インプラント治療前に検査を行うことは大変重要ですが、同時にクリニック選びも重要です。
- 歯科医師の経験の豊富さ
より多くの症例を経験している歯科医師の方が安心して治療を任せれるでしょう。
クリニックの中には経験がさほどなくてもインプラント治療の技術力が高い歯科医師もいるため、症例数は目安の一つとしてとらえておいた方がいいかもしれませんね。 - コミュニケーションがしっかり取れる
こんなこと聞いてもいいのかな?治療について質問したい・・などの状態のまま治療を受ければ、安心して治療が受けられないと言えるでしょう。
つまり、クリニックと円滑にコミュニケーションが取れることが重要です。
歯をなくしてしまった時の治療法はインプラント以外にも存在します。
他の治療法を含め、それぞれのメリットやデメリットをしっかりと説明してくれるクリニックなら安心して治療が受けられるはずですね。 - メンテナンスがしっかりしているか
さらに、治療後にしっかりとメンテナンスを行ってくれるかどうかも重要です。
前もってメンテナンスについても聞いておきましょう。さらに、インプラントのトラブルの原因は歯科医師の技術力だけではなく、患者さんの治療後のアフターケアも深く関係しています。
治療後ケアをいい加減にしたり、クリニックでのメンテナンスを行っているとインプラント周囲炎などのトラブルの原因になります。
インプラントの寿命を延ばすためにもしっかりとケアを行いましょう。
まとめ
インプラント治療と聞くとトラブルが多いと思われがちですが、検査をしっかりと行い、技術力の高いクリニックで治療を受ければ審美性や機能性が回復できる素晴らしい治療法です。
クリニックでしっかりとカウンセリングを受けていただき、検査を受けた上で治療を受けるようにしましょう。
ぜひ、インプラント治療を受ける際のご参考にしてくださいね!