歯周病になってしまったときのために。歯周病治療にかかる費用について

歯周病は、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)が原因によって引き起こされる病気です。

かかっている人は「9割以上」という、今や日本人の「国民病」とも表現される歯周病ですが、いざ自分自身が歯周病になってしまうと「治療費用や治療にかかる期間はどれくらいなのだろうか」と不安になる方も少なくありません。

そこで今回は、歯周病の状態によって異なる「歯周病治療にかかる費用の違い」および「歯周病治療にかかる期間」について詳しくご説明をさせていただきます。

 

歯周病の治療費用と治療にかかる期間のおおよその目安について

歯周病になってしまった時に多くの方が気にする治療費用ですが、歯周病の治療費用は歯周病の症状がどの程度進行しているのかによって治療期間が異なります。

治療費用を自然と把握出来るようになるためにも、まずはご自分の歯周病の症状と治療にかかるおおよその期間を知っておきましょう。

初期段階の歯周病(歯肉炎)の場合

初期段階の歯周病は歯肉炎と呼ばれ、歯周病にかかっている約7割の患者様がこの歯肉炎の状態です。

歯肉炎は主に20歳代から40歳代に多く、症状としては「歯ぐきが赤く腫れる」「歯磨きの際に歯ぐきから出血する」などがありますが普段の生活で症状を見落としやすく、歯周病治療を専門的に行っている歯科医院で検査を受けなければ歯周病に気づかない事もあります。

歯周病の初期段階を判別する際の基準として、歯と歯ぐきの間の溝にあたる歯周ポケットの間隔が「4mm以内」であるかを確認します。

歯周病の初期段階である歯肉炎の内に、早めに検査と治療を行う事でかなりの確率で歯周病の症状を改善する事が出来ます。

治療内容

・プラークコントロール(歯ブラシを使ったブラッシング)

・歯石取り(スケーリング)

・歯のクリーニング(歯の根面の清掃)

治療期間

・約1~2ヶ月

治療費用(注釈がないものはすべて保険適用の3割負担の時の金額)

・1回あたりおよそ「1,800円~2,000円程度」

・トータルの費用は「5,000円~10,000円程度」

・保険外診療の場合は「10,000円~50,000円」(自費診療時の金額)

中期段階の歯周病(歯周炎)の場合

中程度以降の歯周病は歯周炎と呼ばれ、歯周炎にかかる年齢層は30歳代から70歳代と幅広いのが特徴です。

中期段階の歯周病である歯周炎になると、「歯ぐき全体が赤紫色に変色してくる」「歯磨きの際に歯ぐきから出血したり膿が出るようになる」「歯がグラグラとして不安定になってくる」「歯を支えているあごの骨(歯槽骨)が溶け始める」といった症状が認められるようになりますが、歯肉炎と同様に自分自身ではなかなか症状に気づきにくく放置してしまっているケースもあります。

歯周病の中期段階を判別する際の基準として、歯と歯ぐきの間の溝にあたる歯周ポケットの間隔が「5mm~7mm以内」であるかを確認します。

歯を支えるあごの骨も溶け始めている事が多い歯周炎ですが、歯周病治療専門の歯科医院で適切な治療を継続して受ける事により歯を残す確率を高める事が可能です。

治療内容

・プラークコントロール(歯ブラシを使ったブラッシング)

・歯石取り(スケーリング)

・歯のクリーニング(歯の根面の清掃)

・必要な箇所の歯周外科手術(フラップ手術など)

治療期間

・約3ヶ月~1年

治療費用(注釈がないものはすべて保険適用の3割負担の時の金額)

・1回あたりおよそ「1,800円~2,000円程度」

・外科手術(フラップ手術)の費用は「3,000円程度」(1部位につき)

・トータルの費用は「10,000円~50,000円程度」

・保険外診療の場合は「50,000円~500,000円」(自費診療時の金額)

重度の歯周病(歯周炎)の場合

症状が進み重度となってしまった歯周病は歯周炎に分類されます。

以前は特に中程度以上から重度の歯周病の事を「歯槽膿漏」と呼んで区別していた時期もありましたが、現在では特に歯槽膿漏という言葉を重度の歯周病に当てはめて使う事は少なくなりました。

しかし、現在でも便宜上の上で症状が進んだ歯周病の事を歯槽膿漏と呼ぶ場合もあります。

歯周病の症状が重度の段階になると、「歯ぐき全体が腫れあがり赤紫色に変色してくる」「歯磨きの際に歯ぐきから出血したり膿が出るようになる」「口臭が非常に強くなる」「歯を支えているあごの骨(歯槽骨)が溶け始めて歯ぐきが大きく下がり、歯の根面の部分が常に露出した状態になる」「歯がグラグラになり自然に抜け落ちる」といった重い症状が出てきてしまい、日常生活においても強い痛みを歯ぐきやあごの骨に感じるようになります。

重度の歯周病を判別する際の基準として、歯と歯ぐきの間の溝にあたる歯周ポケットの間隔が「8mm以上」であるかを確認します。

重度の歯周病では歯を支えているあごの骨の歯槽骨の半分以上が破壊され、治療は歯周病治療専門の歯科医院で行う歯周外科手術(フラップ手術)および歯ぐきや骨の再生手術(エムドゲインや歯肉移植手術など)を行い対処します。

重度の歯周病は以前はほとんどのケースで抜歯となる事が多かったのですが、現在では歯周病の精密治療が進化した事で歯を残せる確率も高くなってきています。

治療内容

・プラークコントロール(歯ブラシを使ったブラッシング)

・歯石取り(スケーリング)

・歯のクリーニング(歯の根面の清掃)

・必要な箇所の歯周外科手術(フラップ手術など)

・歯ぐきやあごの骨の再生手術(エムドゲインおよび歯肉再生、組織移植手術など)

・手を尽くしても残す事が出来ない歯を抜歯

・抜歯した部分に義歯(ブリッジ、部分入れ歯、インプラントなど)を入れる(※)

・歯並びの乱れがある場合には必要に応じて矯正治療も行う(※)

治療期間

・1年以上

治療費用(注釈がないものはすべて保険適用の3割負担の時の金額)

・1回あたりおよそ「1,800円~2,000円程度」

・外科手術(フラップ手術)の費用は「3,000円程度」(1部位につき)

・組織を再生させる外科手術(エムドゲインや歯肉再生、組織移植手術など)の費用は「30,000円~500,000円」(すべて保険適用外の自費診療)

・抜歯費用は「2,000円~3,000円」

・トータルの費用は「30,000円~100,000円程度」

・保険外診療の場合は「200,000円~3,000,000円」(自費診療時の金額)

(※ 抜歯をした後のインプラント費用や歯並びを直す矯正費用は歯科医院ごとに大きく異なります。)

虫歯だけではなく、歯周病もしっかりと予防・治療を行いましょう

「歯周病の治療内容と治療にかかる期間、治療費用」についてご紹介をさせていただきました。

歯が痛くなる虫歯は症状が重くなれば歯科医院に行かざるを得ない状況になり治療を受ける人がほとんどですが、「サイレントキラー」と呼ばれるほど自覚症状が出にくい歯周病は症状に気づかずに放置してしまう人がとても多いのが現状です。

放置していると歯が自然と抜け落ちたり、あごの骨が溶けて顔の形がゆがんで変わってしまうなど、おそろしい病気である歯周病ですが、早い段階で治療を行う事で症状を改善する事が出来、症状が進んだ場合でも歯周病治療専門の歯科医院で根気強く歯周病治療を受ける事で歯を残せる確率も高くなります。

歯周病で歯を失わない為にも、日ごろから歯周病に対する意識を常に持つようにして、少しでも異変がある場合はもちろんの事、異変を感じなくても定期的に歯周病治療専門の歯科医院に通い、検査やメンテナンスを受けて歯周病から歯を守るよう心がけましょう。