妊娠中に起こりやすい歯のトラブルと解決方法

はじめに

妊娠中はホルモンバランスが乱れるため歯のトラブルが起きやすいと言われており、主な症状としては虫歯、歯周病などがあります。

妊娠すると女性ホルモンが増えるため、歯周病菌が増殖しやすくなり歯周病になりやすくなります。さらに、妊娠すると免疫力が落ちるとともに、虫歯を防ぐ効果のある唾液の量が減るため虫歯になりやすくなると言われています。

ここでは妊娠中に起こりやすい歯のトラブルやケア法などについてご紹介します。

 妊娠すると虫歯になりやすい理由

昔から子どもを一人産むたびに歯を1本失うと言われており、出産回数が増えれば増えるほど残される歯の本数が少なくなることが分かっています。

これは50~70歳までを対象としたある研究結果では残された歯の本数が19本で、3回だと16.4本、4回以上出産した方は15.6本という結果になっています。

さらに、奥歯で上下がきちんと噛み合っている歯がどれだけあるか調べたところ、これについても出産回数が多い女性ほど少ないという結果になりました。

この結果により、妊娠や出産に伴いお口の中の細菌のバランスやホルモンバランスが変化するため、免疫量が下がり歯周病や虫歯などが起こりやすくなり、妊娠するたびに繰り返されるということが判明しています。

さらに、妊婦さんの半数以上の方は歯科治療を敬遠する傾向があるため、妊娠すると虫歯になるのはある程度仕方ないのかもしれませんね。

妊娠中歯の治療をすると赤ちゃんに悪い影響があるという科学的根拠はないので、妊娠しても歯科治療をしっかりと受けていただき、お口の中の健康を保つことが重要です。

妊娠中に起こりやすいお口の病気

歯周病

妊娠するとホルモンバランスが崩れるため歯周病になりやすくなります。

歯周病の原因菌はプラークの中に棲んでいるため、日ごろの歯磨きによってプラークをしっかりと除去することで防止できます。逆に放っておくと歯周病が悪化するので注意しましょう。

虫歯

妊娠すると唾液が酸性に傾くため、虫歯菌によって作り出される酸が中和しにくくなると言われています。さらに、つわりがあると少しずつしか食べ物を食べられなくなるため、1日に何度も食事するようになります。

そうなると、お口の中が酸性になっている時間が長くなるため、虫歯になりやすくなると言われています。

さらに、吐き気がある場合には歯磨きをしっかりとできなくなるため、つわりの時期には虫歯にならないように注意したいものです。吐き気が治まった時などを選び歯磨きを行うようにしましょう。

その際、正しいブラッシング法にで磨くことが大切です。

神経が痛む

妊娠すると歯の神経がある歯髄というところが充血することがありますが、そうなると神経が圧迫されるので痛みがおきます。

これは妊娠5ヶ月頃までに起こると言われていますが、その後自然に痛みは消えていくそうです。

ただ、どうして痛みが起きているのか素人では判断がつかないので、クリニックで診てもらった方がいいでしょう。

歯がぐらつく

女性は出産が近づくと出産しやすいようにと骨盤がゆるんできますが、歯とあごの骨をつなぐじん帯もゆるむので歯が少しずつ動いてしまうことがあると言われています。

妊娠8ヶ月頃までは歯がぐらつくようですが、それ以降は少しずつおさまってくるので安心しましょう。

妊娠中の歯のケア

日ごろの正しい歯磨き

虫歯や歯周病を予防するのに最も効果的なのは日ごろの正しい歯磨きです。

歯磨きを行うことによって細菌を除去でき、歯ぐきの血行をよくすることもできますし、軽い歯ぐきの腫れや出血程度なら治癒することも可能です。

つわりの時は無理のないケアを

つわりの時期には無理せずケアを行いましょう。

歯磨きは食べもののカスやプラークを落とすためにブラッシングをすることが目的なので、歯磨き粉の味がダメな場合には使う必要なないでしょう。

その際、子ども用の歯ブラシなど小さいものを使って、前かがみの状態でかき出すように磨くことで楽に磨けるはずです。

もし、歯磨きが難しいようなら食後にうがいを行うだけでもいいでしょう。つわりが治まったらクリニックで歯石などをクリーニングしてもらえば大丈夫でしょう。

クリニックで歯科検診を受ける

妊娠すると体の変化が起きるのと同時に、お口の中にも変化が起きます。

日ごろから歯科検診を受けている方も、妊娠後は改めて検診を受けていただきご自分のお口の状態を知っておくようにしましょう。この歯科検診の内容はクリニックによって違いますが、虫歯がるかどうかや歯ぐきの状態をチェックすることが多いです。

また、唾液検査で虫歯菌の量を調べる場合もあり、正しいブラッシング法などのアドバイスを受けられることがあります。

最近では妊産婦歯科検診を無料で行っている自治体も増えていますので、一度聞いてみるといいでしょう。

フッ素やキシリトールを利用する

クリニックでフッ素を塗布してもらうことで歯の質を強化できるため虫歯を予防することができます。

また、キシリトールには細菌の増殖を抑制する働きがあるので、これらをうまく活用し歯周病や虫歯対策を行うことが重要です。

クリニックでのクリーニング

どんなに日ごろからていねいに歯磨きを行っていても、完璧に磨けている方はそう多くはありません。

最初は歯ブラシだけで取り切れるような汚れであっても、次第に硬くなってしまうためご自分では取れなくなるものです。

この硬くなった歯石を放っておくと歯周病や虫歯になってしまうため、出産する前に一度はクリーニングを受けたいものですね。

まとめ

ここでご紹介したように、妊娠中は歯のトラブルが起きやすいものです。お母さんが虫歯になるとそれが赤ちゃんにうつってしまうため、できるだけ早く虫歯を治療しておくようにしましょう。

また、歯周病を予防することも重要です。歯周病を予防することは早産のリスクを下げることにも繋がるからです。

出産後はしばらく赤ちゃんに手がかかるため自分のお口のケアを行うのが難しくなります。

お腹の赤ちゃんのためだけでなく、子育て中に歯のトラブルを抱えることのないように、出産する前にはぜひクリニックでチェックしてもらうようにしましょう。