目次
はじめに
赤ちゃんのお口の中にかわいい小さな歯が生え始めると、さらにかわいさも増すもの・・。
実はこの赤ちゃんの歯が生え始める時期は虫歯にかかりやすく、周りが注意して細かなケアを行う必要があります。
ここでは赤ちゃんの歯が生え始める頃に知っておくべき基礎知識などをお教えしたいと思います。
ぜひこれをご参考にしていただき、赤ちゃんの歯について不明な点や不安な点があればクリニックでご相談してみてくださいね!
赤ちゃんの歯とは?
永久歯と乳歯の違い
永久歯と乳歯の違いとはどういったことでしょうか?
赤ちゃんの歯は乳歯と呼ばれており、永久歯とは違う点がいくつかあるようです。
たとえば、乳歯は全て生えそろっても20本しかありませんが永久歯は28本です。
大人と子どもではあごの大きさが違うため、乳歯の方が少ないわけですね。
歯の質
乳歯は永久歯と比べると歯の象牙質やエナメル質が薄いため虫歯になりやすく欠けやすいと言われており、虫歯の進行も早いです。
乳歯の働きとは
乳歯は食べものを食べるのに重要なものですが、それ以外にも言葉を発音するのを上達させたり、あごを発達させて顔の形を整える、脳への血流を活性化する・・などの役割があると言われています。
生えはじめの特徴とは
乳歯は前歯から生後6か月頃生え始める
赤ちゃんの歯は生後3~9か月位の頃に生えはじめますが、個人差もあるため多少前後することもあります。
生えはじめの時期が早くても遅くても、前歯から生え始めるのは同じです。
なお、下の前歯から生える赤ちゃんがほとんどですが、上の前歯から生える子もいます。
ただ、いきなり奥歯から生えることはほぼなく、前歯から奥歯へ生えていって奥歯まで全て生えそろうまでに2年程度はかかるでしょう。
歯が生え始める兆候とは
生まれて3~9か月頃の赤ちゃんのよだれが急に増えてくると、歯が生え始めるサインと考えてよさそうです。
母乳の他に離乳食を食べる準備に入っていてもまだ唾液を飲み込む機能が発達しておらず、よだれを垂らしてしまうのです。
さらに、歯ぐきに痛みがあったりむずかゆかったりするため、ぐずったり泣いたりすることが増えます。
これをいわゆる歯ぐずりと呼び、このころから夜泣きが増えたりする子もいます。
乳歯は永久歯や体の成長に影響がある
この時期の赤ちゃんの体の成長は早く体が成長すると共に運動機能も発達し、自分でなんでもやりたがる・・といった心の発達も見受けられます。
このような成長を母乳だけでは賄いきれないため、生えはじめた歯を健康に保ってあげ離乳食によって栄養を摂る必要が出てきます。
乳歯にもしトラブルがあったら十分に栄養を摂ることができないため、体の成長に悪影響が起きるかもしれません。
さらに、乳歯が健康かどうかは後になって生える永久歯にも深い関係があります。
乳歯がひどい虫歯になると永久歯の形や質、歯並びなどが悪くなると言われており、発音にも悪影響があるそうです。
赤ちゃんの歯が健康であることは健康な体や将来お口を通じて口の中を健康に保つためにも重要なことだということを理解しておきましょう。
生えはじめの時期の注意点
歯周病がうつらないようにする
歯周病菌は虫歯菌と比べると感染期間が長いと言われており、大人になっても歯周病菌に感染するリスクが出てきます。
歯周病菌を多く持っている親の赤ちゃんは同じ歯周病菌を持つ確率が高くなり、さらに、歯周病の悪い状態のお母さんの赤ちゃんには歯周病菌の数が多い・・とも言われています。
つまり、親が歯をケアすることにより、自分だけでなく赤ちゃんや他の家族の歯を守れるということになりますね。
2歳半までに虫歯に感染すると虫歯にかかりやすくなる
まだ歯が生えていない赤ちゃんはミュータンス菌という虫歯菌はいませんが、2歳半までにこの菌が家族からうつってしまうとその後この菌がお口の中に一生棲みつくと言われています。
生後19か月~31か月の間にこの虫歯菌に感染すると虫歯菌がお口の中に棲み続け、この期間を感染の窓と呼びますが、いったん虫歯菌が棲みついた口の中は虫歯のリスクが高まり、一生虫歯に悩むことになるのです。
家族のケアが赤ちゃんのお口のケアに繋がる
赤ちゃんが虫歯にならないよう気を使っている方は多いでしょうが、実際に家族のお口の中をケアすることが赤ちゃんのお口のケアに繋がります。
親子にとってスキンシップは大切ですが、虫歯菌が赤ちゃんにうつってしまうリスクが高まるため感染しないよう家族のお口のケアには気を配りましょう。
甘いものを早くから与えない
子どもは成長するに従って味覚に変化が起きますが、母乳や離乳食、おやつなどにより味覚や食感が発達し、少しずつ味を覚えていくと言われています。
ですが、おやつなどの甘いものはいったん覚えてしまうとその量が増えていき、歯を溶かしてしまうスピードが速くなるため、乳歯が虫歯になりやすくなります。
ですので、甘いものを早くから覚えさせるのは避けた方がいいでしょう。
歯磨きの練習は早いうちに
離乳食を始める少し前の時期に、スプーンに慣れるためスプーントレーニングを行う場合が多いようですね。
それと同様、歯磨きもトレーニングを始めておくといいでしょう。
始めのうちは柔らかめの歯ブラシを使って赤ちゃんの手で握らせ、歯がためと同様に噛む練習をさせてあげてください。
歯磨きの練習になるのはもちろんのこと、自ら口につかんで運ぶ練習になるためぜひやってみましょう!
さて、歯磨きの練習での注意点ですが、はじめのうちはなかなか咥えてくれなかったりと思い通りにやってくれないでしょう。
でも、歯磨き嫌いにならないよう歯ブラシを噛むようになったら大げさすぎてもいいのでほめてあげてくださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
日本ではお口のケアやフッ素などの重要性が理解され始め、以前と比べると虫歯の数は年々減っているようです。
赤ちゃんの虫歯を予防するためには歯の生えはじめの時期のケアが重要です。
生まれてくる赤ちゃんの歯がいつまでも健康であることを願っています!
ぜひ、ご参考になさってみてくださいね!