意外としらない「妊娠」と「歯」の関係。妊婦さんはこの5つをチェックしておくべし

 

はじめに

みなさんは妊娠と歯の関係についてどこまでご存じでしょうか?

 

妊娠中は虫歯や歯周病になりやすく、特に歯周病になると早産のリスクが高まるそうです。
妊娠前にクリニックで治療を済ませておき虫歯予防をしておきたいものですが、妊娠中であっても虫歯にならないとは限りませんよね?
でも、妊娠中にクリニックへ行ってもいいのかという不安もなるもの。
そこでここでは、妊娠と歯の関係や妊娠中に治療を受ける際の注意点などについてご説明しておきましょう。

妊娠中のお口の中の変化と赤ちゃんへの影響とは?

妊娠中は虫歯ができやすい

妊娠すると唾液の量が減るため、お口の中が酸性に傾きます。
それにより、虫歯ができやすい環境になりますし、つわりなどのせいで歯磨きが難しくなり、出産後ふと気づくと虫歯がたくさんできていた・・なんてことが多いようですね。

妊娠中は歯茎が腫れたりすることが多い

妊娠中歯茎の腫れや出血は妊婦さんの半数以上で見られ、妊娠中期頃がもっとも多いそうです。
これはつわりによる歯磨きが不足することも一因ですが、妊娠することで女性ホルモンが増加し、歯周病の原因菌が増えて歯茎の炎症になるからだそうです。
なお、歯周病は30代後半以降に急激に重症化する病気と言われており、最近出産する妊婦さんの大半はこの年代のため注意が必要でしょう。

歯周病菌は赤ちゃんに感染する

歯周病も虫歯と同様感染症の一種だと言われています。
赤ちゃんがいる子宮には妊娠中の母親から血液がたくさん入り込むため、妊娠中に感染していると胎盤を通じて赤ちゃんに歯周病が感染するようです。

歯周病は早産の原因に

重い歯周病にかかってしまうと、歯茎で起こっている炎症性の物質が血液を通じだんだんと全身に広がっていきます。
すると、子宮を収縮させる物質の分泌が盛んになり予定日より前に子宮が収縮するため、早産のリスクが高まります。
歯周病の母親がそうでない人より7.5倍も早産になるリスクが高いとも言われています。
これは早産の原因と言われているアルコールやたばこ、高齢出産などと比べてかなり高い数字だと言えますね。

妊娠中に注意するべきポイント5つ

  1. クリニックに行ける時期

    妊娠中はいつでもクリニックに行くことができます。
    妊娠中は虫歯になりやすいのでむしろ体調さえよければ定期的にクリニックに行くといいでしょう。
    ただし、歯周病や虫歯が見つかって治療を受ける際には、ちょっとした注意が必要となります。
    麻酔などの治療が赤ちゃんに影響することはほとんどないですが、母親の体調を考慮すると、治療を受けるのは中期を過ぎてからの方が無難でしょう。
    妊娠初期や臨月は念のため避けた方がいいでしょう。
    妊娠時期によりクリニックを受診する際の注意点が違っているので、しっかり確認した上で受診してくださいね。

  2. 妊娠していることを伝える

    妊娠後期に入ってお腹がかなり大きくなればひと目で妊娠していると分かるでしょうが、初期や中期だと妊娠しているかどうかわからないこともあります。虫歯治療では麻酔やレントゲン撮影、薬剤を使うこともあるため、妊娠していることを医師に伝える必要があります。
    ちゃんと伝わっていませんと赤ちゃんに悪影響がある薬を処方される危険性もあるため、受付の際にはきちんと伝えましょう。

  3. レントゲン撮影

    通常のクリニックにあるエックス線撮影であれば、被ばく量は少ないため気にする必要はなさそうです。
    鉛のエプロンをつけて撮影すれば問題ありません。
    デジタルレントゲンだと線量が少ないためさらに安心できます。

  4. .鎮痛剤や抗菌薬、麻酔など

    全く問題のない薬剤もありますが、できるだけ避けた方が無難でしょう。
    安全性が高い薬を選んで処方してもらうことをおすすめします。歯医者さんで使用する局所麻酔はお腹から遠い部位なので通常の使用量だと問題ありませんが、血管収縮剤のフェリプレシンは避けた方がよさそうです。これには分娩促進作用があるものがあるからです。

  5. 治療中の姿勢など

    妊娠初期は体調に合わせて負担のある大きな治療は避けた方がよさそうです。
    妊娠中期はほとんど問題なさそうですので普通に治療が受けられます。

    妊娠後期は仰臥位性低血圧症候群を起こしやすいと言われているため、治療時の姿勢は注意が必要です。妊娠後期にお腹の中の退治は大きくなり、さらに羊水で子宮は大きくまた重たくなるもの。
    妊娠中期から仰臥位になると急激に血圧が低下することがあります。これを仰臥位性低血圧症候群と言います。血液は体中を巡って静脈を通り心臓に帰りますが、静脈が心臓に戻る血管のことを下大静脈と言い、体の背骨の右側にあります。つまり、上を向いて寝ると大きくなった子宮が母親の下静脈を圧迫してしまうのです。仰臥位低血圧症候群が起こってしまうと母親は意識がもうろうとしてしまい、気分が悪くなり最悪の場合は気絶することもあります。また、赤ちゃんの心拍数も急激に低下してしまい、長時間この状態が続いてしまうと赤ちゃんは低酸素状態に陥ります。もし、上向きに寝て気分が悪くなった時は、すぐに左側を下にして横になるようにしてください。そうすれば、下大静脈が圧迫されることがなくなるため症状も回復するはずです。

    また、お腹の張りがある方もありますので、あまり治療の際には椅子を倒しすぎることなく楽な姿勢で治療してもらうようにしましょう。さらに、妊娠中は急に姿勢を変えると立ちくらみを起こすこともありますし、つわりによっておう吐反射が強くなったり、トイレが近くなることもあります。治療椅子からはゆっくり立ち上がるようにし、もしトイレに行きたかったり、つわりがひどい時には遠慮することなく伝えるようにしてくださいね。

まとめ

現在、歯周病や虫歯ななってしまってから治療するのではなく、予防するという時代になりつつあります。
なので、妊娠する前から定期的にクリーニングを行って予防していれば、妊娠してからも虫歯になることは少なくなるはず。
さらに、歯周病や虫歯のリスクが高いと言われている親知らずについても、女性の方は早めに抜いておくといいでしょう。
以上のポイントをしっかり押さえていただき、元気な赤ちゃんと出会えることを願っています!