目次
はじめに
みなさんは哺乳瓶虫歯という言葉をご存じですか?
哺乳瓶で飲ませることで起きる虫歯と思いがちですが、実はそうではありません。
ここでは哺乳瓶虫歯の原因や乳歯の虫歯予防法などをご紹介しますので、お子さんに哺乳瓶でミルクを与えているお母さんはぜひ読んでみてくださいね。
虫歯ができるメカニズム
虫歯は突然できるものではなく、いくつかの過程を経て起こるものです。
まず、お母さんからミュータンス菌が赤ちゃんのお口の中に感染しますが、このミュータンス菌は糖分を分解する際に酸を作り出し、これによって歯が溶かされます。
赤ちゃんは生後6~7ヶ月頃からこのミュータンス菌に感染するリスクがあると言われており、生後1年経つと急にリスクが高まります。さらに進むと、ミュータンス菌によって虫歯が引き起こされるほど溜まっていき、脱灰が進んでしまいはっきりと見て分かるほどの虫歯になります。
母乳を飲んだり、哺乳瓶でミルクを飲む時赤ちゃんの舌はお口の中で先の部分が伸び、舌の真ん中がくぼみ平らな状態になります。乳歯が生える頃にこの状態が続くと、上の前歯が虫歯になるリスクが高くなるので注意が必要です。
乳歯が虫歯になりやすい原因
エナメル質が薄い
永久歯は硬いエナメル質で覆われていますが、乳歯はエナメル質がとても薄く永久歯の半分程度しかないと言われています。
ですので、虫歯になってしまうとどんどん進行してしまい、神経にまですぐ到達してしまうのです。
神経が大きい
永久歯と比較して乳歯の神経は大きいと言われています。
その理由は生え変わりの頃に乳歯の根っこを溶かす作用があるためで、いったん虫歯が進んでしまい歯が溶け出してしまうと、神経に到達するのもすぐで痛みが出やすいです。
奥歯に汚れが溜まりやすい
大人と同じで奥歯に汚れがたまりやすいです。
特に、お子さんはあごの大きさが小さいので歯ブラシが届きづらいほか、奥歯の表面には細かい溝がたくさんあるため汚れが溜まり易い状態です。
お子さんが歯磨きしたら、家族の方が必ず仕上げ磨きをしてあげるようにしましょう。
哺乳瓶虫歯の原因とは
さて、では哺乳瓶虫歯の原因とはどういったものなのでしょうか?
哺乳瓶虫歯の原因は赤ちゃんに哺乳瓶を使って飲みものを飲ませることだと言われていますが、少し違っています。
哺乳瓶を使うことでコップやストローなどを使って飲ませるより口の中に飲みものがとどまる時間が長いので、ミルクの糖分が歯についている時間が長くなるためです。
これは母乳も同じです。ですが、哺乳瓶や母乳だからと言って虫歯に必ずなるということではなく、長時間咥えたままかどうかがポイントです。
母乳も哺乳瓶のミルクもどちらにも糖分が含まれており、虫歯は糖分を栄養にできます。
赤ちゃんの唾液量は多いので通常なら虫歯菌に抵抗する力も高く、虫歯になりにくいですが、寝ている間などは唾液の分泌量が減少するので虫歯菌が活発になりやすく、虫歯になりやすい状態と言えます。
つまり、夜寝かせたままで授乳するのは非常にリスクが高いということです。
ある研究結果によれば、1歳半を過ぎてから授乳し続けると虫歯が急増するそうですので、1歳半までには必ず卒乳することをおすすめします。
哺乳瓶でミルクを与えている場合もコップであげるようにしましょう。もし、赤ちゃんがぐずるから哺乳瓶を与えている・・という場合は哺乳瓶の中身を白湯かお茶などに変えましょう。
卒乳の方法としては自然にやめられるのがベストだと考えるお母さんが多いでしょう。
ですが、突然卒乳するのは困難なので、最初のうちは寝る前や夜中だけ授乳するのを止めることから始めてみましょう。また、赤ちゃんはお口の中を自分でケアすることができないので、家族の方がお口のケアをしっかりとしてあげることが大切です。
乳児の虫歯を予防するには
寝る前に歯をきれいにする
虫歯は特に寝ている間に進行すると言われています。
寝ている間は唾液の分泌量が少なくなるため、食べもののかすやミルクの中の糖分が残ったままだと虫歯菌が活発になるからです。寝る前にはしっかりと歯をきれいにしてあげましょう。
また、歯ブラシを嫌がるようならガーゼなどを使ってきれいにしてあげるだけでもいいでしょう。
寝る前は白湯やお茶を与える
寝る前に歯をきれいにしたら、それ以降は糖分の入ったものは控えましょう。お茶や白湯であれば歯に付いても虫歯にならないので与えてもいいでしょう。
ジュースなどを与えすぎない
ジュースやスポーツ飲料などは糖分が多いため哺乳瓶で与えるのは避けましょう。日ごろから飲ませる必要はないため、熱が出た時などに与える程度にとどめておきましょう。
クリニックで歯磨き指導を受ける
お子さんが虫歯にならないようにするためには予防が最も重要です。日ごろのブラッシングで完全に汚れを取り除くことができれば、虫歯になるリスクが軽減します。
家族が行っていたブラッシング法は実際には間違いだったということもあるため、クリニックで歯磨き指導を受けることが大切です。
お子さんの歯の形に最適な歯ブラシや、歯ブラシの使い方などを教えてくれるはずなので、かかりつけのクリニックで相談してみましょう。
クリニックでフッ素塗布などを行う
お子さんが虫歯にならないよう歯の質を強くするためにフッ素を塗布してもらったり、生えたての歯の表面にある食べもののかすや汚れが溜まり易い溝にシーラントという素材を入れ予防してもらうようにしましょう。
ただ、シーラントについては行っていないクリニックもあるため、前もって確認しておくことが大切です。
まとめ
哺乳瓶虫歯の原因やお子さんを虫歯から守る方法などをご紹介してみました。
哺乳瓶虫歯にならないよう乳歯が生えたら哺乳瓶からコップへ変え、飲みものもミルクを白やお茶に変えるようにしましょう。また、1歳半を過ぎたら虫歯があるかどうかクリニックで診てもらったり、フッ素塗布をしてもらうことも大切です。
哺乳瓶虫歯を早期発見し、見つかれば早期治療を行うようにしましょう!ぜひ、お子さんの歯がいつまでも健康でいられるよう努めてあげてくださいね!