はじめに
みなさんは歯にフッ素を塗ると虫歯になりにくくなる・・ということを聞いたことがありませんか?
フッ素にはコーティング効果があり、傷や汚れを付きづらくする効果があると言われています。
たとえば、車の傷や汚れを防止するためにフッ素を塗ることがありますが、歯も同じです。
ここではそんなフッ素を歯に塗った時のうれしい効果や塗るベストタイミングなどについてお教えします。
ぜひ、今後のご参考になさってみてください。
フッ素とは
そもそもフッ素とは地球に存在するありふれた物質の一つで、原子番号は9です。
私たちが住んでいる環境ではフッ素は昔から存在しており、食べものや飲みものの中にも入っています。
この元素は非常に酸化作用が強いため単体で存在することはほぼなく、他の元素と化合している状態のフッ化物で存在するのが一般的です。
ただ、フッ素を摂ると猛毒となるため、フッ化物も毒なのでは?歯に塗っても大丈夫なの?・・と思われている方もいるようですね。
ですが、元素は他の元素と結合することで違うものになります。
たとえば、われわれが呼吸する際に出る二酸化炭素も毒性はありませんが、これが一酸化炭素になると中毒になれば死亡する物質になります。
つまり、化学の世界においてはわれわれにとってちょっとした違いであっても、全く違うことを意味する場合があるので正しい理解が必要です。
歯科医療で使われているフッ素も安全性の高いフッ化物で単体ではないので安心しましょう。
また、自宅で使われるフッ素が入った歯磨き粉やデンタルリンス、マウスウォッシュなどに含まれているのは当然フッ化物なので安心です。
フッ素のうれしいパワーとは
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虫歯の再石灰化を促進してくれる
われわれ人間は食べものを食べると虫歯菌にさらされるため、カルシウムやリンなどが溶け出します。
それを放っておくと虫歯菌によって虫歯になったり、歯周病菌により歯周病になるリスクがあると言われています。そこで効果があるのがフッ素の存在です。
歯からカルシウムやリンなどが溶け出す仕組みはお口の中の食べもののかすを虫歯菌が食べ代謝する際に酸として排出され、それが歯に付くことで起こります。
歯を守るのに大切な作用が再石灰化であり、脱灰と再石灰化のバランスが崩れると虫歯になる・・ということです。
フッ素はその際に溶け出してしまったカルシウムやリンなどを歯に再吸収する再石灰化を促し、健康な歯へと導く役目があるのです。
また、フッ素を使って再石灰化を促進することで歯の表面が強くなり脱灰しづらくなると言われています。
つまり、フッ素にはそれだけうれしい効果があるということになりますね。 -
歯をさまざまなリスクから守る
フッ素は歯の表面を酸から守る効果があり、虫歯菌や歯周病菌から守ってくれる効果もあります。
歯の表面が酸で溶かされると虫歯菌や歯周病菌などの細菌が入り込みやすくなりますが、フッ素の力で歯を強化すればそれらの菌に侵されない強い歯にすることができます。 -
酸の生成を防止し虫歯を予防する
フッ素は酸から歯を守るように保護する効果があるだけでなく、酸の働きをにぶくする効果もあります。なので、プラークなどは歯磨きで完全にきれいに取りきれずプラークが残ったままの状態であっても、虫歯菌の活動を弱めてくれ酸が発生するのを抑制します。
なので、虫歯予防のカギとなり、より虫歯になりづらい状態にしてくれる素晴らしい成分なのです。
フッ素を塗るベストタイミング
では、フッ素を塗るベストタイミングはいつなのでしょうか?
フッ素の効果は大人も子どもも関係なく同じだと言われていますが、大人と比較すると子どもの方が歯が柔らかいためフッ素塗布によってより効果が得られます。
また、永久歯に生え変わったばかりの頃の歯も柔らかいためそのタイミングでフッ素を塗ると最も効果が得られると言われています。
実施に、クリニックでフッ素を塗ってみようかな・・と考えられている方のほとんどはお子さんにも施術を受けさせようと考えている方が多いのではないでしょうか?
また、虫歯を防止しするという観点から言うと、永久歯に生え変わる時期まで待つのではなく、乳歯の頃からフッ素を塗ることがおススメです。
もし、大人になってからフッ素を塗る場合は歯ぐきが痩せている方だけでなく、健康な歯の状態でも虫歯を防止できるので、まだフッ素を塗布したことがない方はぜひ施術を受けてみて下さいね。
フッ素を塗布する際の注意点
過剰に摂り過ぎない
フッ素を一度に過剰に摂り過ぎると、嘔吐や吐き気などの中毒症状を起こすことがあると言われています。
ですが、クリニックで行われているフッ素塗布についてはこういったことが起こらないようになっているので安心しましょう。
知覚過敏や変色などのデメリットを理解しておく
フッ素の中には歯が変色したり、知覚過敏を起こすものがあります。
クリニックによって扱っているフッ素の種類は違うので、どういったことが起こるのかをしっかりクリニックで相談しておくようにしましょう。
虫歯になりやすい場合は生活習慣も改善する
いくらフッ素を塗布しても歯磨きがいい加減だったり、だらだらと食事をしている方は虫歯になりやすいので注意が必要です。
虫歯の原因としては歯の質やお口の中の細菌の状態、糖分摂取の方法、食べもおがお口の中にある時間・・などと深く関係しています。
フッ素を使うことで歯の質やお口の中の細菌については虫歯に対して抵抗力を上げることができるため、食事や間食の摂り方や正しいブラッシングを行うことで虫歯を予防できるはずです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
フッ素はお子さんから大人まで歯を強くするために効果的な成分です。
フッ素塗布はお子さんが行うものと思われている方が多いようですが、歯周病や虫歯を防止するためにも大人の方にもぜひ行っていただきたいです。
もし、まだフッ素について不明な点があればクリニックで聞いてみましょう。
しっかりとフッ素のメリットやデメリットを知った上で施術を受けることが必要です。
日ごろのケアに加えクリニックでフッ素を塗布してもらい、虫歯や歯周病を予防してくださいね!